お迎えに持っていくもの3つ

犬を連れて帰るときには、クレートやキャリーと呼ばれる犬を入れる入れ物が必要になります。
車や公共の交通機関など、お迎え当日の移動手段に適したものを選びましょう。

1.クレート/キャリー

プラスチック製のほかに、「キャリーケース」や「キャリーバッグ」と呼ばれる布製やナイロン製のものがあり、いずれのタイプも持ち運びができるよう、持ち手やショルダー紐がついています。

犬の大きさに合わせたサイズを選びましょう。中でくるりと回転できるサイズが理想です。しかし大きすぎると持ち運びが困難になるため注意が必要です。

成犬サイズを想定し、成長後も使用できるものを選ぶのもいいですが、あまりに大きいものは重く、乗り物に乗せられなくなったり、料金が高くなったりというトラブルが考えられるためです。

また、飛行機はナイロン製がNGなど、交通機関により利用条件は異なりますので必ず事前に調べるようにしましょう。

2.ペットシーツ

子犬は、はじめての乗り物に酔ってしまうことがあります。
出発の数時間前の給餌を控えているブリーダーも多いです。

それでも、乗り物酔いによる嘔吐の可能性はあると考え、クレートやキャリーの底にペットシーツを敷いておきましょう。予備も数枚用意しておくと掃除がラクで安心です。

3.ポリ袋、タオル、ティッシュなど

よだれや嘔吐、粗相など、もしもの時のお手入れグッズを用意しましょう。

ポリ袋は丈夫でにおいが漏れにくいなどの機能を持った専用エチケット袋が、ティッシュはペット専用のウエットタイプなど、機能的な商品がたくさん出ています。
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お迎え先でしたい3つのこと

フレンチブルドッグの子犬
お迎え先では、これまでの子犬の生活や状況に加えお迎え当日の健康状態はどうか、子犬の様子を細かく教えてもらいましょう。

デリケートな子犬になるべく負担をかけないよう、最初はお迎え先のやり方にならい、徐々に新しい環境に慣れてもらうようにします。

1.子犬の現在の状況を教えてもらう

食事の量と与えるタイミング

どんなものを、どんなタイミングで、どのくらいの量与えているのか確認をしましょう。

お迎え初日から短くても一週間くらいは、これまで食べていたものを同じやり方で同じものを与たほうが安心です。

フードの銘柄だけでなく、その子の好みや食欲、離乳期から成長期の食事の注意点や工夫など、細かなことも購入元に確認できればより安心です。

トイレの仕方、トレーニングの有無

回数や間隔、トイレ場所の理解度など、現在のトイレ事情を確認しましょう。すでにトイレトレーニングをはじめている場合は、その状況も詳しく教えてもらうと安心です。

健康診断と混合ワクチンの接種の有無

健康診断結果と、混合ワクチンの接種回数または接種しなければならない残りの回数を確認しましょう。混合ワクチンについては通常、ワクチンラベルが貼付された接種証明書をもらうことができます。

マイクロチップの装着有無

マイクロチップの装着有無を必ず確認しましょう。

装着済であってもデータ登録がない場合は、犬・飼い主情報を登録をする必要があります。情報登録をしなければ、データが空のマイクロチップが体に入っているだけということになります。

「マイクロチップは装着されているのに飼い主さんが分からない」これは、保健所などに保護される迷子犬に非常に多いケースです。気を付けましょう。

装着済み・登録済みの場合は、飼い主さんの名義変更をおこないます。変更は原則、登録をした人物(所有者)の意思確認が必要となるため、先の所有者さんから変更に必要なものを受け取ることになります。

未装着の場合は動物病院で相談をしましょう。病院であれば装着と登録が一度でおこなえます。また局部麻酔を使ったり、避妊/去勢手術のタイミングで埋め込んだりと、装着時期と方法についての相談も可能です。

【マイクロチップの登録について】

動物病院はAIPO(※)の登録窓口となっており、マイクロチップを取り扱っている病院であれば全国どこでも装着・登録・変更が可能です。また、AIPOに登録することで、全国の保健所や動物愛護センターをはじめ警察署などに設置されているマイクロチップリーダーで情報を読み取ることができるようになります。

AIPO以外の団体が発行するマイクロチップが装着されている可能性もあり、それぞれの団体への登録も可能です。

しかし、登録先によっては全国の行政や動物病院での読み取りができず、迷子や災害、盗難などで家に帰れなくなった場合の身元証明とはならないケースがあります。

これは、管理団体がひとつではないうえにデータ連携されていないことが原因ですが、管理団体や登録先についてはしっかり確認をおこないましょう。AIPO以外のマイクロチップも動物病院(AIPO)での登録が可能です。

(※日本動物愛護協会、日本動物福祉協会、日本愛玩動物協会と日本獣医師会からなる「動物ID普及推進会議」という団体名の略称)
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ノミ・ダニ対策

まだ散歩をしていない時期であっても、散歩をしている母犬とともに過ごしたり、庭先で日向ぼっこをしたりと、ノミ・ダニ寄生の可能性があるとして駆除薬を投与しているケースもあります。

投与日についての確認をしましょう。
まだ投与していない場合は、開始時期の相談をするのもよいでしょう。
フィラリアと一緒に駆除するタイプもあります。

2.お迎え当日の子犬の様子を聞く

食事について

最後に食事をした時間と内容を確認しましょう。
あらかじめ子犬を連れて帰る交通手段と時間を伝えておくと、乗り物酔いによる嘔吐を避けるため、食事時間を出発前から数時間さかのぼるなどの対策をとってもらえます。相談してみましょう。

トイレについて

今日最後にしたトイレ時間を確認しましょう。
帰りは家に着くまで犬を外へ出すことはないため、帰路が長い場合はとくに前もって伝えておくとよいでしょう。

3.心配なこと、飼育のポイントについてアドバイスをもらう

飼育方法やしつけについて

しつけやお世話については、犬を迎える前に家族全員でしっかり勉強し話し合っておきます。しかし、実際に飼いはじめてからでないと気付かないこともたくさんあると思います。

ブリーダーから子犬を迎えた場合は、犬舎見学時やお迎え時に、しつけや扱い方について詳しくアドバイスをもらえるケースが多いです。不安に思っていること、聞きたいことは遠慮せずに聞いてみましょう。

お迎え後も相談に応じてくれるブリーダーもおり、ブリーダーと飼い主とで、長い付き合いをしているケースもあります。

また、親犬や兄弟犬の性格や気質、体質を分かっているため、アドバイスは親身で的確です。
悩みや疑問があれば頼ってみることをおすすめします。

お世話で気を付けるポイント

ブリーダーは専門とする犬種のことをよく知っています。
犬種の特徴や、お世話の注意点、しつけのポイント、なりやすい病気などについても、ブリーダー情報であればなお確かだといえるでしょう。

自分である程度調べているかもしれませんが、改めて聞いておくと安心です。

子犬の好きなもの・お気に入りについて

ベッドや毛布、おもちゃなどのアイテムで、子犬が好きなもの、気に入って使っているものについても聞いておくといいでしょう。似たものを用意するなど、環境づくりのヒントになるはずです。

また、子犬が使っていたおもちゃや、親犬のにおいのついたタオルなどをそのまま持たせてくれるケースもあるようです。

おすすめのシャンプー方法について

皮膚と被毛の健康維持のためにシャンプーは必要です。はじめてシャンプーするのはいつ頃がよいか、またシャンプー嫌いにならないよう、洗い方のコツやおすすめのメーカーなどについてもアドバイスをもらっておきましょう。

お迎え当日にするべきことと注意点4つ

掃除する人

1.出発前に部屋の片づけの最終チェックをする

子犬のパーソナルスペースとなるハウスと、その設置場所の最終確認です。
清潔ですか? 噛まれたら困るコードや食べ物が床の上にありませんか? 誤飲されそうな小さなものや壊れやすいものすべて、届かないところに置きましょう。確認をしてから出発です。

2.到着後は無理をさせず子犬を見守ろう 

家に着いたら、ハウスが設置してある部屋でクレートから出します。
子犬が自分からクレートを出てくるのを待ちましょう。引っ張りだすのはNGです。
その後は、子犬の様子を見守りながら、子犬のペースで過ごさせてあげます。

到着後の注意点

抱っこされるポメラニアンの子犬
  • トイレに誘導
到着後、クレートから出てきたら抱っこでサークル内のトイレに連れていき、トイレを促しましょう。
しばらく様子をみて、しないようなら次のチャンスを待ちます。できなくても問題ありません。その場所を嫌いにならないようにしましょう。
  • 部屋の探検
子犬に元気があるようなら、ハウスを設置してある部屋を探検させます。子犬の主な活動場所となる部屋です。
うっかり潜り込んだソファーの下から出られなくなったり、家具にぶつかったりするかもしれません。飼い主さんが見守るなか探検してもらいましょう。
  • 休憩はハウスで
しばらく放っておけばすぐに眠ってしまうほど、疲れているはずです。
部屋探検のあとはハウスに入れ、休憩してもらいましょう。はじめはソワソワしていても、飼い主さんが目を合わさず静かにしていれば、そのうち体を休めます。
  • お迎え前と同じ食事を
これまで食べていたものと同じものを、少し少なめに与えます。
食べないときは無理強いをせず、いったんさげましょう。もしどうしても食べなくても、初日くらいは問題ありません。

3.遊び・コミュニケーションは控えめに

初日はなるべく犬のペースでおこないます。
子犬ははじめての場所で緊張と同時に興奮もしています。とくに、人間の家族が多い、小さな子どもがいる家庭などは注意が必要です。はしゃぎすぎてしまわないよう気を付けましょう。

4.早めに就寝させよう

お迎え当日は早めに寝かせてあげましょう。
トイレや食事が予定通りにいっていなくても、時間になったらハウスに入れ、部屋を暗くするなどをして就寝準備を整えます。

そもそも、子犬は一日の半分以上の時間を寝て過ごします。眠っているときは起こさないよう配慮しましょう。

お迎え初日から1週間の過ごし方についてはこちらもチェック!
もし眠れずハウス内をウロウロしたりクンクン鳴いたりするようであれば、飼い主さんの姿が見えるよう、ハウスのそばで寝てあげてください。
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柴犬の赤ちゃん

1.震えている

犬が震える原因はいくつかありますが、迎えた当日に震えているなら不安からと考えて間違いないですが、念のため室温もチェックしましょう。

そばへ行き声をかけ、不安を取り除いてあげましょう。
時々ではなくずっと震え続けているなら、なにか別のサインかもしれません。ほかの症状がないか観察をし、心配なら動物病院に相談しましょう。

2.吠える

吠えや夜鳴きも、お迎え初日であればさびしさや不安が原因と考えてよいでしょう。
子犬が吠えたり鳴いたりするたびにケージから出すのはおすすめしません。飼い主さんを呼ぶために、日常的に吠えたり鳴いたりするようになってしまうからです。
飼い主さんは子犬から姿が見えるようそばへ行き、夜鳴きであればハウスに毛布やタオルをかけ、暗くしてあげるのも効果的です。
犬が落ち着く状況を作ってあげましょう。
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3.食事をとらない、吐く

食事に関しては、翌日以降もなにも口にしない場合は、ブリーダーや獣医師に相談してみましょう。
嘔吐でありがちなのは、水を一気に飲みすぎたりごはんを勢いよく食べ過ぎたりで、むせて吐くケースです。また、黄色い液体や白い泡状のものの嘔吐であれば空腹が原因であり、それほど心配する必要はありません。

4.暴れる

お迎え初日に暴れる原因は、疲れすぎや元気のあり余り過ぎ、興奮しすぎの可能性が高いです。
遊び時間をもうけるか子犬が落ち着く状況を作り、寝かしつけてみましょう。
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まとめ

フレンチブルドッグの赤ちゃん
震える、吐く、下痢をするなどは、緊張と大興奮中の初日より、少しずつ慣れ不安が増す翌日以降にみられることが多いです。いずれの場合も子犬をしっかり観察し、落ち着いて適切な対応をしましょう。
改善がみられない場合やほかの症状がみられる場合は、獣医師に相談することをおすすめします。